BMW iX2は上質な電気自動車であり、すばらしいインテリアとBMWらしい走りの特質を備えている。乗員と荷物のための実用的な空間も確保されている。マイルドハイブリッドのX2のほうが価格は安いが、BMWの名声と品質を考慮すれば、EVのiX2がおそろしく高価というわけでもない。だが、このセグメントには多くの競合車があり、今や多くの自動車メーカーが70kWh以上のバッテリーを採用している。それらの中でiX2が高い競争力を示すためには、より容量の大きなバッテリーが必要だろう。
iXはプレスリリースによると、「最大150kWで充電が可能、40分以内に80%まで充電できる」「10分で100km分を充電可能」とある。今回、駿河湾沼津SAの下りと上りの最大150kWの出力の充電器で各30分の充電を行ったが、プレスリリースに記されているような充電速度には至らなかった。
しかし、iXの充電性能が優れていた点は、30分間ずっと安定して73〜80kWで充電し続けていたことだ。他車の中には30分間の後半の時間、みるみるkW数が減っていくモデルもある。今回は2回の30分充電で、どちらもSOCにして33%分を充電できた。
武田公実
自分自身が元気ハツラツな時には、気持ちをさらに引き上げてくれる最高の相棒となる。でも、そうでない時にはクルマに負けてしまいそうにもなる。この恐るべき“M”と真っ向から向き合うには、強靭な精神力と自己肯定力が必要とさえ感じたのである。
森口将之
とにかくすべてが攻めている。振り切っている。現行7シリーズでもそう感じたけれど、さらなる上を見せつけられた思いだ。
カーボンニュートラルというテーマを出されても、おとなしくはしない。できることをやり抜いていく。好き嫌いを超えて尊敬できる部分である。
操舵感覚は、X2もiX2(アイエックスツー)も似ていると感じられます。後者はバッテリーのぶん車重が2095kg(欧州値)に達しますが、トルクのたっぷりある電気モーターと、バッテリーによる低重心化のおかげもあり、320kgほど軽いM35iと遜色ない走りっぷりでした。
個人的には、どちらがいいか甲乙つけがたい印象。価格は戦略的です。M35iは810万円で、iX2 30 Mスポーツは742万円。iX2は環境対応車の補助金の対象になるので、もう1モデル、150kWとパワーはやや控えめながら、価格競争力の高いX2 xDrive 20i(628万円)を競合とみることができるかもしれません。
あとは充電設備など日常的な使い勝手で決めることになるでしょう。
呑気に構えて高速の料金所や前車を追い越そうとアクセルを強く踏み込んだ時、その圧倒的加速で何度自分の頭をヘッドレストにぶつけたことか。それほど強烈なトルクで2360kgもある巨体を加速させる。だから、本気モードでアクセルを踏む時は心しておかないとダメだ。
「駆け抜ける歓び」(ドイツ語でFreude am Fahren)というフレーズをスローガンにするBMW。それは1960年代からBMWが使う決め言葉。さすがに走りを重視したBMWならではのスローガンだと思うが、i5もそれを見事に体現したモデルだと思った。
このクルマのよさは、ドライブしている私との一体感だ。そもそもBMWの魅力はそこなのだけれど、反応が速いモーターのおかげで、単に速いだけでない。微妙な速度コントロールができるため、まるで自分の脚で走っているようなダイレクトな操作性が味わえる。
いっぽう、静粛性はとても高く。こちらのクルマも、リラックスして乗っていられる。ハイファイの質も高いので、エクスペリエンスモードで自分の気分にぴったりのムードを選べば、ドライビングの楽しさが倍になる感じなのだ。こういうところが、ニューBMW X2/iX2のナイスなポイント。
出合いは一目惚れかもしれない。でもそのあと、日常生活でつきあったら、二度と離れたくなくなりそうなSAC。それがニューBMW X2/iX2なのだ。
見た目がスポーティな割に、走れば大人の嗜好にも耐えうる上質さを備えたクルマ……新しい「X2」はこれまでノーマークだったという方にも「ちょっと試乗してみたら?」とオススメできる1台に仕上がっています。